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~1988年07月07日~
世間は今頃、七夕でワイワイ騒いでいるだろう…。
そんなとき48時間かかって産まれてきた子供がいた…。
彼の名前はホクト。
早産で産まれたホクトは2000グラムしかなかった。
産まれてすぐ保育器に入れられて、いろんな管を体につけられていた。
体が小さくても彼は必死に生きようとしていた。
母・小百合はホクトが産まれてすぐ、
永遠の眠りについた…。
我が子の誕生に立ち合っていた父・健(たけし)は涙をこらえながら見送った…。
それが健と小百合の約束だった。
-約2ヶ月前-
小『たけちゃん、小百合が死んでも泣いちゃダメだよ』
健『なんでいきなり?』
小『小百合死ぬんだってさ。』
健『何わけわからんこといっとんねん』
小『この前検診の時言われた。子供を産むのは危険です。あなたの命が危ない。って…』
健『そんな大事な事なんで言わんかってん(怒)』
小『(泣)』
健『小百合!!』
小『産みたいから…』
健『えっ?』
小『どうしても産みたいの!』
健『なんでや?死ぬねんで』
健には解らなかった…
小百合が自分の命と引き換える意味が…
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