お嬢様の夢話

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お嬢様の夢話

ここは森の中。 舗装も何もされていない美しい自然の中を、橙色の着物を着た少女が歩いていた。 そういえば――ここはどこ? 見知らぬ森の中。 ふとそう思ってみたが不思議と不安はなかった。 ――なんだか、懐かしい気もする。 歩き続ける少女、“るり”。 するとそこへ。 「「ちょいと」」 「お嬢さん」 後ろから複数の声色がして、るりは振り返った。 そこにいたのは、服から髪型まで何もかもそっくりな3人の女性だった。 「ちょいと……お嬢さん?」 見慣れない服装の彼女たちの1人が身を乗り出して、るりの顔をまじまじとのぞき込んでくる。 「あ、あのぉ……」 思わず眉を寄せたるり。 それに気にせず彼女は顔を接近させてくる。 そして。 「まあまあまあ!」 これは驚いたと云わんばかりに声を上げて、女性が後ろの2人に振り返った。 すると、3人とも目を輝かせて。 「まぁ、お嬢様!」 「まさかお会いできる日が来るなんて!!」 「まるで夢見たいっ!」
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