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「もうあがっていいぞー」
「はい じゃあお疲れ様でしたー」
「おー」
午前2時 仕事が終わり帰路についた
薄暗く人通りもない道を歩いた
(明日は新聞配達のバイトがないから少し長く寝れるなぁ)
そんな事を思いながらぼんやりと歩いていたら前方に人影が現れた
気にする事なく歩いていたのだが、その人影が目の前に来たので驚いて止まった
「港さん」
「え……あ、今日のお客さん」
それは名前を聞いてきた男だった
そして、その男は奇妙な事を聞いてきた
「港さん……俺の事、わかりませんか?」
「え……?」
そう言われ改めてその男を見る
だが記憶になかった
「……わかりませんか まぁあれから6年も経ってますし、俺の事なんか忘れてますよね」
「6年……」
6年、という言葉にひっかかるものがあった
だがそれが何なのかはわからない
「でも、俺の名前くらいは覚えてますよね?
―――先輩」
ドクン、と胸が脈をうった
そしてその男の名はさらに孝明の鼓動を激しくさせた
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