私は奴隷

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「売れないな」 『おじさん、どうして私を閉じ込めるの? お外で遊びたい、パパとママに会いたい、それにお腹も空いた』 女の子は檻に閉じ込められ、逃げられないようになっている 万が一逃げられたとしても、発信機能付きの首輪を付けられているためすぐに捕まってしまう 「お前は売られたんだよ・・・親にな まっ、こんな事言ってもお前にはわかりゃしないがな」 『パパとママに会いたいよぉ グスッ、ヒグッ、うえぇーーん』 女の子の鳴き声が部屋にこだまする 「泣かないでくれよ、俺だってこんな事したくない でも生きて行くにはこうするしかないんだ、まったく可笑しな話だ 自分の命を買って生きてるなんて」 『うえぇーーん、パパァ、ママァ』 「・・・自分のことでいっぱいいっぱいなんだ、本当にスマン」 カランカラン 乾いた音が店内に鳴り響く、閉店になった店に入って来たのは中年男だ 「何か用か? 今日はもう閉店だ」 「何でもいいから奴隷を売って欲しい」
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