*助けられた命*

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14才の私は 循環器病棟がどんな場所なのか、理解していなかった。 大部屋だったけれど やっぱり具合が悪くなってしまうおばあちゃん達。 個室から聞こえる苦しそうな声。 そして 記憶にはないんだけど 食べなかったらしい…。 血管がものすごく細いので、手があいてる…というか、病棟に来たお医者さんは私の点滴をするはめになる。。 1日中お医者さんが来てたな。 結果的には鎖骨の所から、点滴になったんだけど。 怖かったし、痛かったな。 レントゲン台に乗せられて たくさんのお医者さんに囲まれてさ。 泣いたら看護師さんが、すごい焦ってたっけ。 こんな苦労して入れた点滴のチューブを翌朝踏んづけちゃって、小児科の先生…真っ青! 「うち(小児科)でも、年に数回やるかやらないかなのに…」って。 で、また入れ直し。 そして、麻疹にかかる。 私は麻疹の予防注射してなかったらしい…。 あっというまに、42℃。 実際の私は、ほとんど意識なかったけど、 熱で痙攣を何度も起こした。 勝手に白目になるし 足は上がってくし。 それ見た母が 「アンタ何ふざけてんのー?」って毎回怒るんだよね。 「どうなっちゃうの?こわいな。」 そんな気持ちで小児科の先生が来るのをいつも待ってた。 痙攣を起こすたびに、 小児科の先生が私の部屋まで走ってきてくれた。 ある時は2階から。 ある時は5階から。 大きな大きな体の先生が、汗をかいてゼーゼー言いながら、私の部屋に着いた時の顔。今も覚えてる。 意識なくした数日間 親戚とか呼ばれたりしてたみたい。 目が覚めたら酸素マスクとか、たくさん機械があって怖かったな。 後遺症が残るかもしれない…って言われたけど、どうなのかな? 今思うと この時、私の命は助けられたんだな…。 でも それに気づくのは ずっとずっと先のこと。
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