†出会い†

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(もぅ、夕方になってしまった。早く村に戻らないと…) 私は、山に登り薬草や山菜をとりにきていた。 この山は、夜になると非常に妖怪が集まりやすくなる。 夜になる前に、私は山を降りようとしていた。 私の横には、二匹の犬がいる。 黒い犬が茅火(かやび) 白い犬が雅(みやび) この、二匹の犬は私が幼いときからずっと一緒にいる大切な存在だ。 「早く戻ろう、茅火、雅。」 歩き出そうとした時 「ウゥ…」 「どうした?」 二匹が何か居るみたいで威嚇している。 ガサガサッ 私は、草を掻き分けて奥に入っていった。 奥に行くとそこには…。 銀色の髪、鋭い爪、顔には紫の線、服には血がついていた。 「妖怪…?まだ夕方なのに」 (この山は、夜にしか妖怪は近づけないはず…。) そのまま、私はその妖怪に近づいて行った。 妖怪に触ろうとした瞬間…。 ザンッ!! 「つぅ…。」 妖怪が私の腕を爪で引っ掻いた。 「…近寄るな…人間。」 鋭い目、人間がよほど嫌いなんだろ。 「ガゥゥッ…」 「大丈夫だから、警戒を解きな…。 私は、お前を助けようとしてるだけだからお前も警戒を解いてくれる?」 私は近づき傷をみた。 (大分酷いな…。仕方ない、村のみんなにばれないように連れていくか。) 「傷が深い、私の屋敷まで来てもらえる?」 「…人間の手助けなど要らん!」 「手助けじゃない。ただのお節介。私の屋敷は村より少し離れてる。お前をみる人は、居ないだろ。茅火、雅こいつを後ろに乗せて屋敷まで連れていく。と、その前にこれを飲め。私の屋敷は、妖怪は近寄れない、だからこれを飲め。そしたら入れる。行くよ」 「クゥーン」 妖怪を乗せ歩き始めた。 (さて、帰って傷の手当だな。) ちらっ (だが、こんなに強い妖気を持っているこやつをここまでやる奴がいるとは、気をつけないと。) そして、屋敷についた。
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