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屋敷に着いてからは、台所に行きお湯を沸かした。
そして…
「茅火、雅、運んでくれてありがとう。」
妖怪の方を向いて、
「少し動かす、痛いかもしれないが我慢して。」
「…くぅ。」
「服を脱がすよ、血を洗い流さないと。」
パチッン!
「余計な…事をするな…」
「言ったはずだよ、お節介だと…それに」
ドクッン!
「貴様…。何をした…」
「さっき飲んだ薬あるでしょ、それは、眠り薬と屋敷に入るための薬、そうしないとお前おとなしくしないだろ?」
「くぅっ…」
「寝れば、痛みはなくなる…おやすみ。」
しばらくして妖怪は寝た。
その間に、血のついた着物を脱がし新しい着物をきせ、血を手拭いで拭いた。
「ふぅー。これでひと安心か…」
私は、一息つくつもりは無かったがそのまま寝てしまった。
『父上、母上!!大好きです!』
ツゥー 夜鈴の目から涙がこぼれた。
それを、妖怪は見ていた。チュンチュン
気づいたら、朝になっていた。
「朝か…。」
(なんで、今になってあんな夢を…)
思い詰めたような顔をしていると。
「クーン」
「ふふ…大丈夫だよ。さて、ご飯の用意しないとね。」
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