アリス 大人になっては いけないよ

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 アタシは今日、この屋敷に売られてきた。  家が苦しかったわけではない。  それだけ大きな額を提示されたわけだ。  売られたことに対して恨みはない。  家族との仲が悪かった、学校も嫌だった、嫌なものだらけだった。  だから、売られたことに対して何の感情もわかなかった。  今までの生活に未練なんてない。  アタシは家も人間関係も、名前さえも捨てた。  ここではアタシは『桜のアリス』と呼ばれた。
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