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そんなこんなで、ひたすら二人で打ち合って。
気がつけば、いつの間にか0勝10敗。
「……あ"~~」
「お疲れさま。結構頑張ったわね」
「……なんだよオマエ。普通に自分から攻めても強いじゃんか」
「そうでもないわよー? やっぱり男の子には腕力で負けるしね、さっきも言ったけど、カウンターの力頼みだし」
「俺、一度も勝ってないんだが」
「んー、それは、なんていうか。こっちから攻めたのにいつの間にかうまいこと直哉が攻めて私が受ける形になってたというか」
「あ~~」
確かにそんな気はしたけども。
向こうが攻めてきても、それに俺が応じ始めるあたりから完全にいつものパターン化してたというか、結局向こうの攻めも囮になってたというか。
それが優奈の上手さなんだろうけど、結局いつものスタイルなんだよな。
「それなら普段からそうしたほうが強いんじゃね?」
「う~ん、……そうかも。まぁ、これは新年の課題ね。有意義だったわ、ありがとう」
「へーへー。俺は優奈に勝つのが'11年の課題、か。……あ、そうだ」
「どうしたの?」
「優奈、遊びでもう一回、付き合ってくれないか」
「……いいけど。なにするつもりよ」
さすが優奈、俺が何かをしでかすという予感はあるようだ。
今年は2011年。
11年、というならば、こういうのはどうだろう。
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