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「まぁ、そりゃそっか。剣増やしたくらいでみんな簡単に強くなったら、世間は二刀流だらけだし」
「そういうこと。……ところで、おめでとう」
「……なにが?」
「勝敗数。直哉から見ると、0勝11敗、011で今年の西暦と下三桁あってるよ」
「……嬉しくねぇ。どうせなら全部あってればいいのに」
「へぇ、あと20回やる?」
「いや、いい、ごめんなさい」
「え、そう? 私はいいけど。遠慮しなくていいよ?」
……あれ、これ。
ちょっといらん地雷踏んだか……?
「いやいや、大丈夫だ。俺は3桁合ってただけで十分満足してるから」
そもそも20連勝とかできる気しないし。
「ええー、でもほら、やっぱり下三桁って中途半端じゃない? なのに大丈夫だっていうの?」
「大丈夫だ、問題ない」
「……は?」
「いやすまん、今のは条件反射だ」
ともかく。
これは、逃げるが勝ちだろう。
「そういうわけで! 試合はまた今度な!!」
「あっ! ちょっと待って、……にーげーるーなー!!」
「とりあえずそんなわけで今年もよろしく! あけましておめでとうございました!!」
「ましたっ!! じゃなくて、……ああも、逃げ足だけは速い!」
新年早々、ドタドタと。
こうして今年も慌しく、新しい一年が幕を開けたのであった。
-fin-
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