第二章 覚醒の予感

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 実際、この膨大な情報が『DarkNight』内に何故、存在しているのかは皐月達には知らされていなければ、それらが何に利用されているのかも分からなかった  皐月達にはDIVEシステムで潜り、情報を集め管理する、ただそれだけを指示されていた  四年前、純粋な好奇心でメインパーソナルにアクセスした皐月は不正アクセスの名目で減俸と一時権限剥奪の上、自宅軟禁まで経験した  それ以来、皐月の行動は随時監視状態を余儀なくされている  奈月とコンビを組むようになってからは主に彼女のサポートとして行動しているため監視は緩やかになってはいるが、それでも皐月にはDIVEシステムの使用は一切、許可されていなかった  たまに、こうして情報の一部を処理することぐらいしかない (私が潜れれば少しは奈月の負担を減らせられるんだけどね…)  微かに寝息をたてながら眠る奈月を哀しげに見つめる
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