第二章 覚醒の予感

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「びっくりするじゃない!」  心底、驚いたらしく皐月は胸に手を当て小さく深呼吸するとディスプレィの電源を落とし、両手を前に組んで背筋を伸ばした 「さてと、必要な情報も送ったし本部に戻ろっか」  ナビを起動させ現在位置を確認しながら自動運転に切り替える  静かなエンジンを奏でながら二人の乗った車が禁止区域からゆっくりと市街地に向けて走りだした        *  禁止区域を抜け大通りまで来ると周辺の景色が一変し、一気に華やかさが増した 「ここら辺一帯はやっぱり旧都市の名残の影響かしら?かなり賑わってるわねぇ」  皐月の言うとおりに周辺一帯は活気に満ち溢れており、人々の生命力が肌で感じ取れるほどだった 「ほんと、あの場所と比べたら嘘みたいな賑やかさね…ふわぁ~」  ぼんやりと外の景色を見つめながら奈月は小さな欠伸と共に抗えない程の眠気に襲われた (疲れてるのかな…)  確かにDIVEシステムの使用後は脱力感に包まれることがよくあるのだが、今日の眠気は異常だった  頬杖を付きながら外の景色を眺めていた奈月はいつしか深い眠りに陥っていた
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