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「あっ、そうだ。おじいちゃんからこんなの貰ってきたよー」
天子が掲げたなにかのボトル。
中には透明な液体が入っていた。
「なんだ、それ?」
「ジュース。みんなで飲みなさい、って」
おじいちゃん?
こいつのじいさんってことは天使なのかな?
「ささ、みんな飲んで飲んでー」
コップに注いで配る天子。
「俺はいいや。さっき蕎麦食ったばっかで入りそうにないし」
「そう? いいじゃんいいじゃん、おじいちゃんも『無礼講じゃ!』って言ってたよー?」
「ははっ……無礼講って、まさか中身が酒じゃあるまいし」
「ゆーうくぅんー?」
えっ……?
振り向くと、そこには顔が真っ赤な奏。
ぎゃー、目が据わっとるーっ!?
「ふふっ……あっついわねー……わかる? あついれしょ?」
俺の手を握り締める奏。
考えたくないが……熱いのは酔っ払ってるからでは?
あのボトルの中身がアルコールならばすべて説明が……。
「こらぁ、ゆぅ!」
手を握りながら、なぜか泣いて潰れた奏をソファに移していると、突然肩を掴まれた。
そうか……俺と天子以外はみんな飲んだんだな、アレ。
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