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振り向くと、ギロリと眼を利かせた綾。ひぃっ!
「おーまえはいっつもいっつも奏ばっかりでぇ……わたしの想いを考えたことがあるのかぁ!?」
「すいませんすいません!」
「わったしはこぉんなにお前のことが……きなのにぃ」
「えっ?」
途中がよく聞こえなかったが、今まさか……?
確認を取ろうと口を開く。
「………すぅすぅ」
「……寝やがった」
どいつもこいつも!
ソファは奏がいるので、俺の部屋に寝かせる。
まったく、ロクなことがねぇ!
戻ったら戻ったで昌也と薫がアツい抱擁を交わしてるし、真希は泣きながら自慢のツインテールで才貴の首を絞めてるし。
どうなってんだこりゃ。
「天子ー、天子ー?」
「天国さんなら自分の部屋にいったわよ」
急に背後から声がして、驚く。
振り向くと、会長がいつもと変わらぬ微笑みをたたえて立っていた。
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