突然

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  母さんの事は正直よく覚えていない。 オレが産まれて半年後に病気で他界したらしい。 だから大体の人が感じる、母の温もりってやつがオレにはよくわからん。 前に親父が持っていた写真を見せて貰ったけど、結構な美人さんでしたよ、はい。 一言で表現するなら大和撫子だな。親父と結婚したのが不思議で仕方ないよ。 親父から母さんが死んでることを聞かされたのは、五才の頃だった。 小さい時のオレは「母さんは何処かで暮らしてて、いつか帰ってくるんだ」って思ってたから 話を聞いたときは結構なショックを受けちまって、一時期は鬱の一歩手前までなっちまったんだよ。 いま思えば、覚えてない筈の母さんの事がめっちゃ好きだったみたいだ。 まぁいろいろとあって、最後は親父に助けられたんだっけな。 詳しくはまた今度…。  
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