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やっぱり親父も母さんの事が大好きだったみたいだな…。
こんな頑固親父をいったいどうやったら落とせるのか。いや、落とされたのか? 実際に見てみたかったな。
幸せそうな二人を想像し、苦笑しながら果物を脇に置いていく。
ふと、この頑固親父が母さんにデレデレ鼻の下を伸ばしている姿を想像した。想像してしまった。
やばい…
完全にツボに入った。
大声で笑いたい衝動が身体の中を駆け巡る。
だが声に出して笑ってみろ。母さんにも失礼だし、何よりもオレの命が無くなっちまう。
咄嗟に口を手で抑え声を出さないようにしているが、身体はオレの心とは裏腹にぷるぷる震え出している。
端から見たら完全な変質者だ。
なんでこういう時に変な想像をしてしまうのか。この時ばかりは自分の想像力を恨んだ。
そんな変質者を見逃す筈もなく
「なに震えてんだキモチワリィ。変な妄想してねぇで手動かせエロガキ」
口の悪い頑固親父が冷ややかな目線を送ってくる。
だいたい合ってるけど若干違うから。なんでエロガキになってんだよ。
まぁ命が無くなるよりはまだマシだけど…。
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