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その笑顔は
大いなる絶望の中に
ほんの僅かな希望を感じ
お互いの存在を確かめる
そんな表情だった。
突如
吹き荒れる突風に
妻の髪が靡き
炎は大きくゆれ
赤ん坊の甲高い鳴き声も
ぴたりとやんだ。
それを合図に
邪悪な獣たちが
炎の向こう側から
一斉に襲いかかる。
最後まで
夫婦は微笑む。
赤ん坊はまた泣き叫ぶ。
そして…
一輪の花が、儚く散った…。
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