プロローグ

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  その笑顔は 大いなる絶望の中に ほんの僅かな希望を感じ お互いの存在を確かめる そんな表情だった。 突如 吹き荒れる突風に 妻の髪が靡き 炎は大きくゆれ 赤ん坊の甲高い鳴き声も ぴたりとやんだ。 それを合図に 邪悪な獣たちが 炎の向こう側から 一斉に襲いかかる。 最後まで 夫婦は微笑む。 赤ん坊はまた泣き叫ぶ。 そして… 一輪の花が、儚く散った…。    
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