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『困ったわ‥』 容赦なく降りしきる雪 こんな所に動かずにいて どんどんと冷えてゆく身体。 足に食い込んだもので傷付いたトコが、焼けるような感覚から痺(シビ)れに変わりつつ有る。 自分の生命が今、脅かされているのに、そんなのは他人事で 私が気になっているのは、一族の、初めて冬を迎える子供を抱えた、若いお母さん達。 彼女達や子供が、お腹を空かせてはないかしら? 早く帰ってあげなきゃ。 考えるのはそればっかりなの。 『困ったわ‥ みんな待っているのに‥』 やっと見付けた それも素晴らしいご馳走。 これなら、みんなで分けて食べられると思ったのに‥ そんな素晴らしいご馳走には、文字通りの罠が仕掛けてあって。 私は罠に足を挟まれて途方に暮れていた  
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