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「すみませーん」
ここはイニシエの森の入り口。
男が一人、剣をぶら下げた兵のような男に声をかけた。
「なんだお前は」
兵のような男は不快そうに男を睨んだ。 風変わりな着物に 高い下駄をはいたひょろっとした男はニコニコとしている。
「何をしているんですか?」
「何故お前に答えにゃならん。」
「いやあ、この森を抜けたいと思って来たのですが、意外にも人がちょこちょこいるようなので何事かと」
ひょろっと男は陽気に答えた。
「…狼が出とるんだ。」
兵のような男は仕方なさそうに答えた。
「大きい狼が出とるんだ。あまりに大きいのでこの森の生き物らに危害を加えるやもしれない。だからわしらは探しておるんだ。」
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