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ハルトは城に見合った一枚とは思えないほど大きく重い鉄の扉に全身の力と体重をそれに注いだ
しばらく押すとようやく小さな自分が通れるほどの隙間を作り、その間をくぐり抜けた
扉以上に高く、背の低いハルトからは天辺が見えない程ある石造りの柱が二つ、しばらく行った先にある石の門の縁に立てられていた
その大きさはまるでこの先にあるクッパ城の恐ろしさを警告しているかのようだった
ハルトはそこまで行くと、柱の下の台座に座っているトゲノコに声をかけた
「ジャック~交代だぜ~」
「ん~?あいよ…」
ジャックと呼ばれたトゲノコの青年ジャッカルは、煙草をくわえているせいか若干聞き取りづらい言葉で返事をしながらハルトが居るであろう方向に自分の持つ鋭い目付きをハルトに向けた
幾つものピアスやペンダント等のシルバーアクセサリーを身につけているせいか、少し首を動かしただけでも、静かに金属独特の硬く高い音が首元から聞こえてきた
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