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ハルトはふと、ジャッカルの横に無造作に置かれている長く鋭い針がついたバングルのような武器を見つけた
「つーかお前またその爪っぽいの外してんのかよ、外すなよおい」
「っせぇな…煙草吸うのに邪魔なんだよ…」
ジャッカルは今まで吸っていた煙草を手に持ち、台座に押しつけて呟くように言った
煙草はブレスレット同士が高い金属音を奏でたと同時に静かに燃えていた火が消え、細い煙がゆらりと揺らめいた
「んじゃ吸うなよ、敵来た時とか素手で戦う羽目になるぜ?」
「上等、俺がそんな弱く見えるか?」
大きなハンマーを握りしめて自分は武器を離さないと訴えているかのようなハルトにそう言うと、ジャッカルは拳を握ってみせた
人差し指と中指、それぞれ百合の紋章と髑髏のリングの輪郭を月明かりがキラリとすべり、リングの硬さと金属の美しさを引き立てた
それを見たハルトは半ば呆れ混じりの口調から苦笑しながらの口調に変わった
「あっそ、でも素手だろうとそんなメリケンサックみたいな手で殴られたらただじゃすまないだろうな」
「お気に入りのリングが汚れるのは嫌だがな…
とりあえず俺は帰るぜ、んじゃ、門番よろしく」
敵を殴り血に染まってしまった二つのリングを像したのか、ジャッカルは顔を引き吊らせながらリングを指で触った
そして喫煙のために外していた刺付きバングルを装着するとそのまま門の奥のクッパ城へと入っていった
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