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一人になったハルトは門から先に続く道を見つめていた 曲がりくねった道の左右には溶岩が流れており、道の間には灼熱のアーチを作るかのように火の粉が飛び交っていた まるでこの地にのみ地獄が昇ってにじみ出てきたかのような道である 「別に…門番が嫌だから言うわけじゃないけどさ…こんな所来る奴って…住んでる俺が言うのもなんだけどよっぽどのバカじゃね?」 大きなハンマーに両腕を置き、そのような事を呟いていた ふとジャッカルが城に入った事を知らせる扉の重い音が辺りに響いた その瞬間だった 「ライトニングボール」 空から短く声が聞こえると同時に青く光る弾が弾丸のように迫ってきていた ハルトはとっさにしゃがみ込み攻撃を避けたかに思えた しかし光が地についた瞬間弾は拡張し、結局その魔法に巻き込まれてしまった 「っつあぁ!」 「お前が一人になるの待ってたんだ」 ハルトの短い悲鳴に次いで 夜空のどこかから嘲笑うかのような声が降り掛かって来た 「く…ぅ…居た…例によってのよっぽどのバカ」 ハルトは魔法で痺れた体を起こして魔法の出所であろう空間を睨みながら呟いた 「僕はバカじゃないよ、見ての通り僕はカメック、名前はカメリアだよ」 バカと言われ挑発に乗ったのか、挑発を返すかのような無邪気をかたどったような声と共に何もなかった空間からカメックの男の子が徐々に浮かび上がってきた 黄色いコートと雫のようなペンダントが特徴的なハルトより少し年少であろう少年だった 「なーんだガキか、ならバカでも仕方ないな」 ハルトは拍子抜けしたかのような声でカメリアを睨み付けるとハンマーをぐっと握りしめた 「でもお前もガキじゃないの?」 カメリアは口調こそ変わらないものの怒り混じりの声色に変わり、ハルトに向けた両手のひら一杯に魔力を込め始めた
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