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声が聞こえてくるプリクラ機械ののれんを大きく捲った。
「…やめてください」
「うるせぇ~なぁ~、黙って言うこと聞いとけや!」
そこには、少し小さい女の子が無理矢理男に押さえつけられている光景があった。
一目見ただけでも、男が無理矢理何かをしようとしているのが見て取れる。一瞬身体が止まったが、女の子の悲痛な叫び声で決心した。
「おい!何してんだ!」
昔から喧嘩はあまりしたことがなく、何故こんな大声が出せたのかはわからない。
ただ、気づいたら男と拳一つ分ぐらいに近づき、怒鳴っていた。
「あ?なんやお前?
なんかようかよ?」
「うるせぇ!何やってんだって聞いてんだよ!」
後ろで傍観している充が目を見開いているのがわかる。
きっと、それ程いつもと俺の様子が違っていたのだろう。
「あ?見てわかんねぇのか?遊んでんだよ、あ・そ・び!」
俺は、チラッと女の子を見た。目を潤わせながら、首を大きく横に振っている。一目見ただけでも、仲良く遊んでいたようには見えない。
そう判断した俺は、男に対する睨みをいっそう強めた。
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