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「どっからどう見ても、一方的に襲ってるようにしか見えないんだけど」
「ガタガタうるせぇ~なぁ~、いいからサッサと消えろ!
邪魔なんだよ!」
面倒になったのか、男は臨戦態勢になりやる気満々になった。
少しビビったものの、一度助けに入った以上逃げるわけにはいかない。
「お前が消えろ!」
俺は、負けずと睨みを利かせ女の子を守るように身構えた。
その瞬間、フッと笑うと共に、男が大きく拳を振り上げて襲いかかってきた。
ヤバい
避けたら女の子に当たる!
そう判断し、俺は必死に身構え、当たるのを覚悟し目を瞑った。
「止めとけ、こいつに怪我させたら俺が許さねぇ!」
いつまで経っても、痛みが襲ってこない事に疑問を抱き、ゆっくり目を開けると
そこには、男の振り上げた拳をがっちり掴み、男を睨み付ける充がいた。
「ごめんな翔、一瞬お前の姿に驚いて助けるの遅れちまった……」
申し訳無さそうに謝る充。しかし、俺が怒るはずはないだろう。
「いや、ありがとう充。助かった」
笑顔で御礼を言うと、満足そうに充も頷き、再び男に睨みを戻した。
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