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カゲヤマに手をさしのべるべきか矢島はタイミングを計っていたが、
ついに黒澤からオレンジのひと房を、
「……口をあけてごらん、甘いよ。」
と、ベッタリとした雰囲気のまま食べさせられようとしていたカゲヤマの困惑顔で現実に引き戻され、
「黒澤、黒澤、大丈夫、カゲヤマ一応大人!、
自分でたべれるって!
なんならオレが貰うわ?」
と、笑ってその場をごまかしながら、矢島は慌てて割って入ったが、そう言えば昔、確か黒澤が同じようにオレンジを食べさせてる、これと同じような光景を見た気が……、と、遠い記憶を辿った。
……まさか、未華ちゃんの件?!
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