643人が本棚に入れています
本棚に追加
矢島が油断している隙に、結局黒澤にオレンジを食べさせられたカゲヤマに気の毒な視線を送りつつも、
「……カゲヤマ。」
「なあに、矢島?。」
ほっとした感のカゲヤマに向かって、
「黒澤の呼び方、いい案がある。」
カゲヤマは、固まった。
矢島はニコニコしながら彼女を手招きし、
「……何と、お呼びするんですか?。」
恐る恐る急に事務口調になった彼女にそっと矢島は耳打ちすると、
カゲヤマは更に固まった。
「……えっ?、大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫。」
「ちょっと、2人っきり何やってんですか?。」
黒澤は珍しくイラついた感じで、親密な空気を携えながら内緒話をしていた矢島とカゲヤマに声を掛けると、
「すみません、……おにいちゃま。」
カゲヤマがその言葉を口にしたとき、三人それぞれに緊張感が走った。
最初のコメントを投稿しよう!