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「聞いたかよ。また“雪花”が現れたんだって」
「ルブルムドラゴンを一人で仕留めたらしいぜ!」
少年たちが興奮ぎみに話している。
今は始業前、クラスは昨日あったらしい魔導士の活躍の話に花を咲かせていた。
「いったい何者なのかしら、その“雪花”って人」
「どこか名のある貴族の生まれだよ、絶対」
「一度でいいからお目にかかりたいぜ」
雪花――。
半年ほど前、彗星の様に現れた魔導士。
基本属性である火、水、風、土のどれにも当て嵌まらない特異な魔法を使い、その闘いの跡の美しさから“雪花”と人々は呼ぶ。
その正体は謎に包まれており、実際に彼を見たという者は少ない。
と、そういうわけで今、何かと話題にのぼる魔導士なのだ。
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