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そこはどこにでもある普通の村。
農家の家が多い村。
村の近くには大きな桜の木があり、春に咲く桜が美しい村。
その村に一組の家族が住んでいた。
父、母、子の三人家族だった。
父は『金太(キンタ)』と呼ばれており、女性のような華奢な身体をしていたが、村一番の力持ちであった。
母は『紫(ムラサキ)』と呼ばれており、夫である金太よりも華奢な身体で、村一番の美貌の持ち主であった。
そして、その金太と紫の間には、七つになる息子がいた。
金太と紫の髪と目は漆黒であったが、2人の息子の髪と瞳は───赤かった。
息子の名は『桃太朗(モモタロウ)』。
桃太朗は金太と紫から『桃』と呼ばれていた。
桃は変わった容姿をしていたが、金太と紫は一人息子である桃を無償の愛で大切に育てた。
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