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「ボクの本当の名前の由来?」
「おうよ! 桃。お前は───」
「金太!!」
金太が桃に、桃の名前の由来を教えようとした時、それは止められた。
「紫」
「お母さん」
話を止めたのは、金太の妻で桃の母親である紫だった。
「金太。言ったはずよ?
その話、桃にはまだ早いわ」
「良いじゃねぇか、別に。今、桃に教えたって」
「駄目よ!!」
金太は、桃にいずれ教え、桃が識(シ)る時が来るのであれば、今教えても良いと考えていた。
しかし、それを紫は許さなかった。
「金太。物事には段取りってもんがあるでしょう!
七つの桃が識るには重過ぎるわ!!」
「相変わらず細けぇな。桃を誰だと思ってやがる?
この“強い”“優しい”“良い男”が揃った金太郎の血をひく子供だぜ?」
「…金太が強いのは認めるけど、優しいのと良い男なのは、間違いよ」
「何だと!」
「何よ!」
「お父さん、お母さん、けんかしないで」
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