第一噺:桃と呼ばれる子

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  金太は大雑把な性格。 紫は勝ち気な性格。 同じなのはどちらも負けず嫌い。 なので、金太と紫は意見が噛み合わない時は、毎日喧嘩ばかりしていた。 しかしそれは、どこにでもある家庭の光景。 家族に遠慮などいらない。 言いたい事があったら、はっきりと言う。 『喧嘩する程仲が良い』 毎日喧嘩ばかりしているが、金太がすぐに気にしなくなる為、金太と紫の夫婦仲は良好だった。 そんな二人を見て育った桃は、心優しい子であった。 ただ、何でも聞きたがり、答えられた事をそのまま鵜呑みにしてしまうのが少し欠点であるが。 金太は口も達者で人をからかうのが好き。 桃の性格を知っている金太は、桃に聞かれた事に対して、嘘を教え桃を騙し、反応を見るのが楽しかった。 桃を騙すのは、金太の日常茶飯事であった。 そして、その後に金太は紫にこっぴどく叱られ、紫は桃に新たに教え直すの繰り返しだった。 .
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