第一噺:桃と呼ばれる子

6/6
前へ
/21ページ
次へ
  この時、桃は識らなかった。 たった七つの桃が識るはずなかった。 自分にこれから訪れる運命を。 運命の先にどんな結末が自分を待っているのかを。 桃が識るのは、もう少し後───十年後である。 赤は不吉の色。 赤髪は異物。 赤瞳は忌みの証。 赤、紅、アカ。 真っ赤な炎。  ─────血の色───── だから、桃太朗、桃太朗サン。 アナタに待っているのは………。 ───なぁに? .
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加