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この時、桃は識らなかった。
たった七つの桃が識るはずなかった。
自分にこれから訪れる運命を。
運命の先にどんな結末が自分を待っているのかを。
桃が識るのは、もう少し後───十年後である。
赤は不吉の色。
赤髪は異物。
赤瞳は忌みの証。
赤、紅、アカ。
真っ赤な炎。
─────血の色─────
だから、桃太朗、桃太朗サン。
アナタに待っているのは………。
───なぁに?
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