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さぁ、これからどうしようか?
霧に包まれた世界で皆本性を隠す仮面を付けて生きている。
しかし、僕だけには仮面の下が見えてしまう。
そんな世界で生きていけるか?
到底無理だ。
この霧は何も逃さない。
僕は重い足どりで道路に出た。
ガードレールから下を覗き込む。
高いな…。
でも丁度良い。
真実を知った僕が、偽りの中で生きる事は出来ない。
僕だって願い下げだ。
もう歩き疲れたし、自由になりたいな。
「……でも、一つやることがあるな。見たくも無い真実を見せたお前に借りを返そう」
僕は口元を緩め、呟く。
その日の夜のニュースで、ひそかに原因不明の山火事が報道された。
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