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「え?え?え?え?」
私は当惑する。当然だ。数十年生きてきたが、膝が口を開けて笑うなんて話聞いた事がない。
本当に未知なるものに遭遇した時、人は簡単に理性を失う。
その時である。
「あれ?国城先生ですよね?」
声につられ、私は振り返る。そこには、眼鏡をかけ、ヒョロっとした男が立っていた。
息が上がっている。
「どうも、数学を担当する吉岡です。いやあ、バスを逃してしまいましてね。走って来たんですよ。そしたら、ほら…」
そう言って彼はズボンの右足の方をまくり上げる
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