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『マジ?おっ、俺もね~六人なんだよ!末っ子。』
そう、俺も兄弟が多かったからだ。
彼は、あまりの俺の興奮ぶりに、少し驚いてる様子だった。
でもすぐに、整った顔立ちで苦笑いしながら口を開いた。
『でっけぇ末っ子だな~おい。……うちの一番チビなんてまだおむつとれたばっかだぜ?』
『君は何番目なん?』
『上から二番目。まあ~姉ちゃんと2人で育ててるもんだわな。親、働いてて忙しいし。』
『へ~っ、すげぇな~。』
『なんならやる?子育て。きっついぞ~。』
『やめとく…』
そこから先は、兄弟の話で大盛り上がりだった。
お互い近い家族構成のためか、ものすごく共感できる部分が多かった。
同時に、ただ【怖い問題児】と思っていた彼が、実は【優しいお兄ちゃん】だとゆうことを知った。
大人買いだとばかり思っていた大量のうまい棒も、下の子のためにでも買ったんだろう。
あまり手はつけられずに、彼のカバンにしまわれていった。
人は話してみないと分からないと、本当にそう思った。
『俺ら、仲良くなれそーだな。』
帰りの道。
一緒にチャリを漕ぎながら、そう言ってくれた彼の顔を、今でもはっきり覚えてる。
風にまう桜の花びらがきれいな、春の日だった………
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