入村

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だがそんなウキウキもしていられない状況が目の前にはあるのだ 携帯の画面を開く、現在の時刻は午後5時30分 今から山を下って大回りしていたのではあまりにも危険過ぎた 後ろを振り返り来た道が見えないにしてもまず街灯がなく道もかなり急カーブが多いことはわかる このまま暗くなってしまえば車のライトだけでは頼りなさ過ぎる、ましてこの道の細さだ急カーブでもし対向車でも来たら… 考えるのも恐ろしい ……っとその時だ 反対岸の方から手を振る人の姿が見えた 「なぁ親父、向から誰かが手振ってるんだけど」 「…ん?」 細い眼を更に細めて相手を伺う父 「ちょっと降りて話してくるよ」 そう言い捨て車を降りて行った父 俺も何気なしに車を一緒に降りた
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