二章

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日は完全に落ち、辺りは真っ暗になり、ホテルの明かりだけがぼんやり浮かんでいる。 泣きつかれたのか、ハナは山崎がくれたホットミルクを飲み、落ち着くとロビーの椅子で眠ってしまっていた。 「このままじゃあ風邪引いてしまうぞぃ、風呂は沸かせんのかのぅ。」 「さっきのアヤノって女にも言われましたよ、まったく、ボイラー見てきますね。もしかしたら湯がつかえるかもしれない。」 「ありがたい、厨房のガスは使えたから多分大丈夫じゃろう。」 「ですね。」 そういって中川は懐中電灯を持ち地下のボイラー室へと向かう 薄暗い地下室の一つにそれはあった。 「やっぱり動いてないな、動くのかな。」 中川がスイッチを入れると、ボイラーはゆっくりと始動しだした。 「これで湯が使えるだろう。」 安心した中川がロビーへ戻ろうとしたその時! 「キャ―――!!」 女性の悲鳴だ! 中川が慌てて戻るとそこにはアヤノの姿が、何かに驚いて腰を抜かしているようだ、中川が近づき声をかける。 「どうした!?何かあったのか!?」 「あ、あ、あれ…」 そういってアヤノは扉の開いた部屋の中を指さす その部屋の中にゆっくりと視線を移す… そこには、喉を引き裂かれ血だらけになり倒れているケンジの姿が… 「どうした!?」 山崎が駆け寄る、中川が部屋に視線を促すと山崎は 「なんてこった、まさかここで事件が起こるなんて…」 「山崎さん、あなたやっぱり…」 「ん?、あぁ、そうだ、私は刑事だ、殺人事件の星を追ってこの辺りを捜査していたんだ。」 「やっぱりそうだったんだ、そうだ、アヤノさん!大丈夫ですか?」 「あぁ…、あぁ…、」 アヤノは放心状態で口をパクパクさせている… 「イヤー!!」 アヤノは突然叫び出すとその場から逃げるように外へと飛び出す! 「アヤノさん!!」 中川と山崎も後を追う!
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