一章

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雨はまだ止みそうにない、中川は山崎と共にホテルの小さなラウンジで話していた、するとまた一人客人が、そこにはなんと、小学生ぐらいの小さな女の子が、泣きながら入り口に向かって来ていた、中川は慌てて入り口へと向かうと声をかける。 「どうしたの?お母さんは?風邪引くといけないからとりあえず頭拭きな、大丈夫だからな、大丈夫。」 女の子は泣きじゃくりながらタオルを受け取り顔を覆う。 「おそらく親とはぐれた迷子じゃろう、おじょうちゃん名はなんと言うんじゃ?おじいさんに教えてくれんかのぅ?」 山崎は優しい声で語りかける、すると女の子は泣きながらも必死に答える。 「えっとね…、名前はね、ハナだよ、お母さんとね、一緒にね、いたんだよ、ううぅ。」 「おおぅよしよし、偉いなぁ、ちゃんと名前言えたのぅ、雨に濡れて寒かったろう、どれ、温かい飲み物を飲めば落ち着くじゃろう、ハナちゃんこっちへおいで。」 ハナは泣き顔をタオルで押さえながら山崎の手を掴んで歩き出した、中川はホッとして一緒にホテルの中へと入っていく。
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