【28】終焉の時

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【28】終焉の時

~ヴァロンの要塞~ 「ミゲル、パワーはまだか?」 「間もなくです」 「こうなったら・・・この星のエネルギーを直結させろ。一気に世界を焼き尽くすのだ」 「そんなことをしたら・・・この星までも・・・」 さすがのミゲルも躊躇(ちゅうちょ)する。 その時。 「待て❗️そんなことはさせない。装置から離れろ、将軍。さもないと・・・」 カイザル博士が、ヴェロニカを後ろ手に掴んで、現れた。 ヴェロニカの頭には銃が当てられている。 「さ、さもないと、お、お前の娘がし・・・死ぬことになるぞ❗️」 一瞬、驚きの顔を見せるラルフ。 が、すぐに不敵な笑みを浮かべる。 「パチパチパチ」 「上出来だよ、博士。よくもそんな勇気があったものだ。それとも、娘に悪知恵を吹き込まれたか?」 ラルフの言う通り、これはヴェロニカの策略であった。 「う・・・うるさい!いいから言うことを聞け❗️」 うろたえながらも、そう言った博士の顔が固まる。 ラルフが、銃口を向けていた。 「バンッ❗️」 「アッ❗️・・・そんな・・・パパ・・・」 ヴェロニカの胸の少し上辺り。 ジワジワと血がにじむ。 「しょ・・・将軍・・・自分の娘を撃つなんて・・・」 「ドサッ!」 ヴェロニカの後ろで、博士が倒れた。 弾はヴェロニカの肩を貫通し、後ろにいたカイザル博士の心臓を打ち抜いていた。 傷口をおさえて膝ま付くヴェロニカ。 「我が娘よ、我々人類はもう終わりだ。先に逝って待ってておくれ、寂しがることはない、私もすぐに逝く」 「パパ・・・」 額に向けられた銃口を、悲しげな瞳で見つめるヴェロニカ。
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