【28】終焉の時

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ヴェロニカの指が、ゆっくりパネルに伸びる。 「パパは、本当に私を愛してくれていた。そう信じるわ。そして、この遺跡も同じ様に・・・」 V E N N Y 「VENNY」 「ヴェニーって❗️そりゃあ・・・あのウィルスの…」 「小さい時に、パパがつけた私の愛称よ❗️」 要塞全体にエネルギーが充満し、激しく共鳴する。 「発射されます❗️」 アイが叫ぶ。 「タンッ…」 アイの悲痛な声と共に、ヴェロニカが入力キーを叩いた。 世界が、目を閉じた。 「ギュォーン❗️ギューン!・・・キューン・・・キューン・・・キュン・・・・・・」 その音が、徐々に鎮まって行く。 要塞の光も弱まり、シールドが消え、神秘的な遺跡の顔へと戻っていく。 「…終わった…」 力なくつぶやくヴェロニカ。 「ふぅ~」 二人同時に大きなため息をつく。 「ヴェロニカ・・・愛されてて良かったね」 「ラブ⁉️」 かすかに目を開けて、ラブが微笑む。 「ゴゴゴゴゴ・・・」 要塞が動き始めた。 「おっと!早くずらかろうぜ。こういうヤツは、終わったら崩れ落ちるか、海に消えるかってのが定番だ❗️」 T2の言う通り、遺跡は、再び深い海の底へと帰り始めていたのである。 T2が、ラブとヴェロニカを抱えて外へ出る。 「さて、さすがの俺も、二人抱えては泳げねぇな・・・」 「飛行機壊しちゃったしね」 「またですか⁉️」 「いやっ!ちょっと待てよ!ありゃあ仕方ねぇだろ。無茶言うな💦」 「ハハ、冗談よ、T2」 ヴェロニカとラブが笑う。 「こういう時の定番はね・・・ほら」 ラブが指差す方角から、救助ヘリが現れた。 通信器に声が入る。 「ラブ。大丈夫ですか?」 「ロビン。やっぱ、あなたしかいないわ❗️いつから救護班に❓」 「いや・・・これは自分の機ではなくて・・・」 「ラブさん、始めまして。ロビンのワイフのエリザです」 「ロビン!あなたの奥さんも軍人だったの?」 「ハハ・・・実は」 「じゃあ、今日はお礼のキスはなしね!」 「シッ❗️ラブ💦それは・・・💧」 「あなた・・・お礼の何ですって?」 「ラブぅ…💦」 「ハハ…ごめん」 丁度、水平線から朝日が昇り始め、世界は、また新しい一日を迎えた。 (鬼島さん。おじいちゃん。ベル。・・・メイ。ありがとう。あなたたちのことは、絶対に忘れない。)
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