【29】エピローグ

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「ほらよ」 T2がラブに背中を向ける。 「え?」 「帰りは背負ってやるよ」 「あれは、冗談よ。ハハ。でも、せっかくだから、甘えちゃおっと!」 T2の背中に飛び乗るラブ。 ゆっくりと、坂道を下って行く。 「そういえば、ラブ。メイのカメラで写真を撮らせたのは、お前だったんだよな?暴露した三井ってヤツも、お見舞いに来てたし、どういうことだ?」 「あっ💦話すの忘れてたわ」 「おい!放り投げるぞ」 「ごめんごめん。メイにカメラを持たせたのも、三井さんを武道館に呼んだのも私よ」 「はぁ?」 ヴェロニカに自分の秘密を話した時、彼女はヴァロンの遺跡の話を教えてくれた。 それをヘブンが狙っていることも、あの紋章が鍵であることも。 一方、マイク・レイズとの試合が決まった時、ラブは、アイとEARTHを使ってその素性を調査し、HEAVENとの関係やヒューマノイドであることを知ったのであった。 わざと、自分の紋章をマイクに見せ、それを気付かせるべく、三井に写真を公開させたのである。 全て、HEAVENをおびき出すために、ラブとアイが仕組んだ策略であった。 もちろん、自分の秘密をバラすリスクはあったが、HEAVENと決着をつける覚悟の上での賭けであった。 また、その秘密を隠していることに、罪悪感を感じていたのも事実であった。 「おいおい、そりゃあねぇぜ。わざと捕まったってことか?」 「そうよ。HEAVENにとって、私のいない世界は、好都合でしょ。必ずボロを出すと思ったの」 「そこで、引っ掛かって来たのが、ラルフってわけか。全く、よくやるぜ」 ラブの顔が曇る。 「でも・・・その代償は大きかったわ」 「バカヤロウ。そもそもレムやトリノ砲なんてのは予想外なんだし、ヘブンを壊滅できたのは事実だ。もし、あのままだったら、この先もヘブンのせいで、きっと大勢の人々が死んでたんだぜ。みんなの死は、決してムダじゃないさ」 珍しく、長ゼリフであった。 「T2・・・。ありがとう。勝手かもしれないけど、私もそう思うことにするわ」 「そうそう!そうでなきゃ、あいつらが浮かばれねぇや」 「うん」 「でも、俺をダマした罰だ。ホイっ!」 「ドスンッ!」 T2が手を放し、ラブがしりもちをつく。 「いったぁい!!怪我人のスターを落っことすかなぁ・・・もう」 「ハハハハ」 笑い合うラブとT2。 そこへ、一人の男が通りかかった。
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