【29】エピローグ

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~翌日の早朝~ バス停で、盛大に見送られながら、ラブはそこを離れた。 しまいには、万歳三唱まで出る始末。 「T2・・・大丈夫?」 「お・・・おう。任せとけ!」 実はお酒に弱い彼は、完全な二日酔いであった。 「こんなんで、何を任せるっていうのよ、もう」 「お嬢さんは、タレントさんかね?」 斜め前の席から、老人が話しかけてきた。 「はい。一応そんな仕事をしています。おじいさんは、旅行か何かですか?」 大き目のバッグを抱えた姿を見て、ラブが問う。 「墓参りじゃよ。長年連れ添った者が最近亡くなってしまってのう」 「そうですか・・・それは残念なことですね」 その時、T2が限界に達した。 「ラブ、悪ぃ、チョット失礼するぜ」 運転席へと歩いて行く。 「兄ちゃん、酒くせぇぜ。大丈夫かよ77「 3つ前の席にいた、遊び人風の男が声をかける。 それに無言で手を上げるT2。 バスを止め、外へ出る。 草むらへ向かって、むせるT2。 その目がふと、バスの後ろに止まった黒塗りの車に気づいた。 (ん?なんだってんだこりゃ) ラブがバスの外を心配そうに伺った瞬間。 老人が短い杖をラブに向けた。 「弟の仇だ。死ねトーイ」 「バシュッ❗️」 「ラブ⁉️」 T2が慌ててバスへ戻る。 杖を落とし、崩れ落ちる老人。 遊び人風の男が伸ばした腕に、拳銃が握られてた。 少ない乗客と運転手が、悲鳴を上げながらバスを降りて行く。 「てめぇ❗️」 「T2、待って」 ラブが止めた。 男が銃をしまい、ラブへと歩み寄る。 笑顔で会釈するラブ。
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