【29】エピローグ

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飛鳥神(あすかじん)ね」 「やっぱり、知ってましたか」 飛鳥組、若頭、飛鳥神(28)。 「その顔じゃ、こいつのことも、とっくに気付いていたって感じだな」 飛鳥が倒れた老人を足でこづく。 「伝説の殺し屋、リュウ・ウォンシン。ワンジンの兄ね。さすがに、殺気をほとんど感じさせなかったけど、二度も同じ失敗はしないわ」 「そして、この俺にも気付いていたか。こいつに仕込み杖を向けられても、お前さん眉一つ動かさなかったからな」 「あなたが、私の前に現れる理由は、ただ一つ」 「鬼島の交渉が成立したってことか」 目で微笑むラブ。 「全く、たいしたお嬢さんだ。気に入ったぜ。鬼島との約束だ、この先、何があっても、お前のことを守ってやる」 こうして鬼島は、自らが死んだ後も、ラブを守り抜いたのであった。
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