【0】E.P.・ZERO

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ラブの率いる部隊が、一つ目の建物に近づく。 「ラブ様、北東の窓。足元に銃器を置いた監視が二人」 ラブの頭脳に、マザーコンピューター『アイ』の声が入る。 「了解。足元ってことは、バレてはいない様ね」 「距離53、風速・・・・・・」 隣で計測員の言葉が詰まる。 「あなた、計測の経験は?」 苦悩する彼に、ラブが優しく問う。 「2年です。ですが、吹雪の経験は・・・」 「そう、2年か~。私は、全然よ。私に目をつむって撃てって?ここにいる誰が一番だと思う?」 この緊張下で、ラブが微笑む。 しかし、彼の目を見る瞳は、真剣そのものであった。 「じ・・・、自分であります」 「そうよ。だから、あなたが必要なの。私に力を貸して。私は、あなたを信じる!」 彼の心に、ラブの想いが響いた。 「はい!」 しっかり、うなづく。 「距離53、風速・・・15!5時から7時の方向へ不規則に変化します。合図を待ってください」 「は~い。指が凍りつく前にお願いね」 ショックライフルを構えるラブ。 殺傷能力はないが、気絶させる威力はある。 雪が凍り付いたゴーグルを外し、そのまま待つラブ。 「慌てないで、私は大丈夫」 まばたきできない瞳が凍える。 「今です❗️❗️」 そのビックリマーク1つ目で、躊躇(ちゅうちょ)なく引き金を引く。 『バシュ、バシュ!』 一瞬にして、二人が倒れた。 「お見事です」 「その言葉、そのまま返すわ。ありがと!」 ラブの持つ特殊能力を持ってすれば、計測器は本来不要であった。 だが彼女は、彼の言葉を信じたのである。 立ち上がったラブが、全員へ指示を出す。 「まずは、第一部隊(私たち)が、突入します。第二、第三部隊は次の建物に近づいたまま待機を」 部隊へ合図を送るラブ。
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