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十五代定安侯劉嬰の代、居摂三(西暦8)年、安漢公王[莽`]([大]では無く[犬])(字:巨君)は幼くして皇帝になった劉嬰の代わりに政を執り行い、初めは『仮皇帝』、仕舞いには『摂皇帝(摂政皇帝)』と名乗り、権勢を奮った
ある日、夢の中で初代太祖高帝劉邦の御霊から禅譲を受けたとして自ら皇帝に即位、十五代定安侯劉嬰を蔑ろにし、劉嬰から禅譲を受けて『新』を建国した
歴史上初の禅譲であり簒奪に相当する行為である
王[莽`]が帝位を簒奪しようと、当時、伝国璽を手許に保管していた姑母の孝元太皇太后、王政君に「伝国璽を引き渡す様に」と王[莽`]の従弟、王舜(字:不詳)を使者として使わした
王政君「王[莽`]、誰のお陰で今の地位に就く事が出来たと思っているのです?。全ては、漢歴代の陛下の御情けに依るものではないか。御恩を忘れ劉漢が衰えると、その地位を奪わんとするは、一体どういうお心算りですか?」
王舜「孝元太皇太后様!」
王政君「其男の様な卑賤な奴の食べ残しなど、狗でも喰わぬであろう!」
ポイッ
ポキッ!…ゴロゴロゴロ……
王舜「…なッ、何という事をッ!」
王政君は、持ち出した伝国璽を王舜に投げ付け泣き崩れた
この時、伝国璽の龍の角が欠け、後に黄金で角を補習し、その跡が本物の伝国璽である証拠として後世に伝えられて行く
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