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曹徳、曹疾は老いてからの子として、父、曹嵩に死に際まで手元に置かれ愛されました
丁夫人は、父の賄賂での隆盛とそれに因る政略結婚を恥じ、良家から嫁がれた夏侯夫人を正妻の座に着けて自らは第一側室として一段下がり、正妻の夏侯夫人を敬いました。2人は亡くなるまで良好な関係を築きました
170年、曹邸
夏侯阿瞞は父に喚ばれ、義兄の遺言を聞きました
曹喬「父上、母上。先に逝く不孝を御許しください」
曹嵩「許すとも…」
夏侯月影「謝るのは私の方です。健康に産めなかった母がいけないのです…」
曹喬「阿瞞、息子を頼むぞ…ゴホッ」
夏侯阿瞞「はい。義兄上…」
曹喬は、自分に抱き付く母の横に立つ父と義弟の手を握り、安堵したのかそっと目を閉じました
…暫く後、曹喬は息を引き取りました
夏侯阿瞞は異母兄曹喬の生まれ乍らの病弱に因る早世と夏侯惇の成人に由り曹姓に戻され、正式に曹嵩の嫡嗣、曹操(字:孟徳)と成りました
想わず、義兄の遺言の通りとなったのでした
数年後
何時しか曹操は、勉学の合間を縫って親戚の夏侯惇(字:元譲)や夏侯淵(字:妙才)、更には袁紹(字:本初)やその異母弟の袁術(字:公路)らと親しき悪友と成り、『曹』『夏侯』『袁』の名と地位と金に物を言わせて、都に悪名を響かせる青年の一人に成長していました
何時しか巷では「父の威を借り、賄賂を使い賭博、闘犬、果てには敗けた腹いせに酔った勢いで外国人の嫁を攫い身代金を巻き上げる等々、悪さの限りを尽くした」と噂されました
袁隗邸
袁隗「紹、術。曹操らとの息抜きも良いが程々にな…」
袁紹、袁術「はい」
袁隗は甥の袁紹らを窘めたが、彼でさえも悪戯の数々を止める事は出来なかった
後に曹操は、皇帝の親類の劉夫人や、丁水潅の親類の丁樹の娘、丁清翠などの女性たちと結ばれますが、それはまだ、先のお話し…
※
三國志の世界は、一夫多妻制が認められている為、異母兄弟姉妹の例が多く見て取れます
曹操は後に数十人の妻(側室)を持ちますが、後々になると1万人もの妻(側室)を持つ、盛り塩の由来になった猛者が現れます
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