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さっきまで顔がよくわかんなかったけど、ここにいる全員は一年じゃなかった。
一年と二年両方いる。
「あ?女がこんなとこ来てナメこと言ってんじゃねぇぞ」
「こんなとこって……あたしここの生徒なんですけど」
「んなわけねぇだろ。ここは男子校なんだからよぉ」
そんなこと言われてもねぇ……。
実際入学しちゃったしねぇ。
「別に信じてくれなくてもいいですけど。体育館までの道教えて下さい」
「女だからって優しくされると思ってんのかよぉっ!?」
一人の男があたしに手をあげた。
「はぁ……」
あたしはとりあえずその手を避けて殴ろうとした男の肩に手を置いて耳に口を近づけた。
今日くらいはいろいろ見逃してあげようと思ってたんだけどね~。
「―――――……」
「…っ!?」
あたしが言った言葉に固まった男。
あたしはとどめに満面の笑みで言ってあげた。
「で、体育館どこですか?案内してくれたりするとすごぉ~く助かるんですけど?」
「わっ……分かった。教える。案内する」
「えっ、ちょっ喧嘩は!?」
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