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あたしは黙ってその人の後に着いていった。
………なぜ二階?
この建物は二階建てってわけでもない。もっと高い。
二階なら一階でも良いじゃん。
何で一階じゃダメなわけ?
一階に在ってくれればあたしだって今頃理事長室に着いてたのに!
あたしが1人心の中で呟いてると、男が立ち止まった。
「あそこの奥の扉がそうだから。ゴメンっ。俺急用が出来たからここまでねっ!」
「ありがとう」
あたしに背を向けて片手をひらひらと振って階段を上っていった男。
階段の上からは微かにだけど怒鳴り声がした。
……あんな優しそうな人でもやっぱり行くんだ。
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