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美奈紀を抱き締め、空高く舞い上がるガイアヴィス。
剣のみを携えていた兵士達は慌てふためいて右往左往している。
それを満足げに見下ろし、ガイアヴィスは空を駆けだしたが、
「ガイアヴィス、前!!」
「何!?」
前方の森から黒い物体が飛び出し、こちらと同じ様に空中に浮かびあがる。
どうやら“同郷”の者たちの様だ。
背中には忌まわしき人間を乗せ、こちらを睨み据えていた。
「人間に飼い慣らされたか。馬鹿者どもが」
軽く舌打ちをして、ガイアヴィスは滞空する。
どうやら飛んで逃走する事も予想して、森に空中戦の可能な部隊を用意されていた様だ。
――――美奈紀を抱えたまま、あいつ等を相手にするのは厳しい。
かと言って、彼女を森に下ろす訳にも……。
どうするか悩んでいる間、敵は待っていてはくれない。
鋭い爪を振りあげ、迫ってくるのだ。
人間も武器を振りかざし、ガイアヴィスのみを狙ってくる。
それらを捌(さば)きながら何とか逃げようとした時、飛来した矢が立て続けに数本、背中に突き刺さった。
「ぐっ」
「ガイアヴィス!!」
このままでは美奈紀にまで流れ弾が当たってしまう。それだけはあってはならない。
自分はいくら傷ついても、美奈紀だけは……。
「しっかり掴まっておいで、美奈紀」
首に手をまわしてきて震える彼女をしっかり抱きしめると、ガイアヴィスは片手で大剣を握り、敵部隊の中に突入した。
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