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洞窟の中を歩く間、沈黙が続く。
それを破ったのは、自分だった。
「そういえば、輪廻転生と言う言葉を知っているか?」
「さあな……なんだそりゃ?」
「死んだ人間は未来で生まれ変わるそうだ」
「へぇそれじゃ未来でも一緒に戦えるといいな」
「いや、できれば争いのない世界がいいな」
「……確かに、そりゃそうだな」
「……よし!そろそろ行くぞ」
「おぅ!!」
俺達は洞窟をでた。
眩しい外の光に目が慣れると、目の前は 敵 敵 敵 敵……見事な敵の海だった。
一面中 敵だらけ
俺達は互いに背を預けて戦う。
どんどん敵が倒れてく。
……がやはり敵が多すぎる。
「くそっ……ならば!!」
気を静め、剣に気を込めていく。
そして、発動の鍵とも言える言葉と共に、その溜めた気を迸せた。
「五行の理において、我が気は水……その龍が如し荒ぶる力で敵を貫け!
水 龍 衝 烈 波!!」
荒々しい龍の咆哮のような音を唸らせながら、水は龍の形を象り、敵へとぶつかる。
その激しい水流に飲まれ、多くの敵が消えたが、それでも敵は次々と現われる。
結局俺は四方八方から、刺され、切られ、貫かれ、そして……死んだ。
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