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神様はやっぱり居るのかもしれない!!
広い敷地に堂々と建つ校舎を見て僕は心の中で歓喜の叫び声を上げた。
ここは、月城学園。
小中高等部とある、エスカレーター式の学園で男子校だ(ここ重要)。
当然そんなグループ作りなんてとっくに終わったような所に途中から入る入学生などほぼいない。
入れば好奇の目にさらされて気まずい思いをするだろう。
それでも僕はここに特待生で入学した。
なぜなら……それは。
「ついに……ついに生BL拝める時がっ!!」
そう、生BLを見るためにこの学校に入学したのだ。
まぁ、準備に時間がかかって入学式からは一週間ほど過ぎているのだけど。
「ついに綺麗受けとか男前受けとか小悪魔受けとか……」
「おい、お前」
「へたれ攻めとか俺様攻めとか敬語攻めとか……」
「……おい」
リアルに生徒会イベントとか風紀員とかホスト教師とか期待してるわけじゃないけど。
このわくわくは止められないんだよね。
「益良男(ますらお)冥利(みょうり)!」
「ほえ?」
急に鋭い声で名前を呼ばれたので顔をあげると、そこには不機嫌そうな顔をした黒髪の青年が居た。
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